ウォールナットのダイニングチェアを設計するときの考え方
North Poppy のダイニングチェアは、背板の蒸気曲げとペーパーコードの座面が特徴です。どちらも手間のかかる工程ですが、座り心地と耐久性のために外せない要素です。設計の段階でどんなことを考えているか、書いてみます。
背板を曲げる理由
背板を直線のままにすると、背中との接触面が少なくなります。人の背中は緩やかに湾曲しているので、板も同じ曲率に合わせることで、長時間座っても疲れにくくなります。
蒸気曲げは、木材を蒸気で加熱して柔らかくしてから型に押し当てて曲げる方法です。ウォールナットは繊維が密で、蒸気曲げに向いている樹種です。曲げた後、型に固定したまま48時間乾燥させます。
ペーパーコード座面の特性
ペーパーコードはデンマークで生まれた素材で、紙を撚って作った紐を格子状に編んで座面にします。通気性がよく、夏でも蒸れにくいのが特徴です。布や革の座面と違い、汚れが染み込みにくいです。
手編みで仕上げるため、1脚あたり3〜4時間かかります。編み方は一定のテンションを保つことが重要で、緩すぎると座ったときに沈みすぎ、張りすぎると座面が硬くなります。
ほぞ組みで固定する脚
脚の接合にはほぞ組みを使っています。木工用ボンドと組み合わせることで、ビスや金具を使わずに固定できます。金具を使わない理由は、将来的に緩んだときに工房で締め直しができるからです。
ほぞの精度が接合の強度を決めます。0.1mm単位で調整しながら、きつすぎず緩すぎない嵌め合いを作ります。この工程が一番時間がかかります。
チェアの設計は、座る人の体に合わせることが出発点です。定番サイズで作っていますが、将来的には体格に合わせたオーダーにも対応したいと考えています。