リュウキュウマツの特性と家具への使い方
沖縄の山に自生するリュウキュウマツは、本土の木工所ではあまり使われない樹種です。油分が多く、乾燥に時間がかかるため扱いが難しいとされていますが、その分、傷への耐性と独特の質感があります。North Poppy では2020年ごろから試作を重ね、現在はブックシェルフの主材として使っています。
油分の多さが特徴
リュウキュウマツは、アカマツと同じ松属に分類されます。切断面を触ると指に油がつくほど樹脂分が多く、これが素材の大きな特徴です。この油分が木の繊維を保護するため、表面に傷がつきにくく、水分の吸収も緩やかです。
一方で、この油分が塗装の密着を妨げることがあります。化学塗料を使う場合は下地処理が必要ですが、North Poppy では蜜蝋ワックスのみで仕上げているため、松の油分と蜜蝋が混ざり合って独特のしっとりとした表面になります。
乾燥に時間がかかる理由
松材は広葉樹に比べて乾燥が遅いです。特にリュウキュウマツは樹脂分が多いため、内部の水分が抜けるのに時間がかかります。工房では最低8か月の乾燥期間を設けています。
沖縄は年間を通じて湿度が高いため、乾燥室の管理が重要です。除湿機を使いながら、湿度を50〜55%に保つようにしています。急いで乾燥させると表面だけが乾いて内部に水分が残り、後から割れや反りが出ます。
家具に向く用途と向かない用途
リュウキュウマツは棚や収納家具に向いています。傷がつきにくく、重いものを置いても表面が凹みにくいです。一方で、椅子の脚や細い部材には向きません。松は繊維が粗く、細い断面では割れやすい性質があります。
テーブルの天板としても使えますが、木目が大きく動きがあるため、接合部の設計に注意が必要です。North Poppy では現在、松材はブックシェルフのみに使用しています。
リュウキュウマツは扱いが難しい分、使いこなせたときの満足感があります。沖縄の気候と素材の性質が合っているのか、完成した棚を工房に置いておくと、訪れたお客さんが必ず触っていきます。